涙が浮かんできたのを、先生が気づく。

「ホントに嬉しい…。ありがとう先生。」

涙が流れないように、右手で拭った。


先生が頭をポンポンって軽く二度叩いた。

「勝ったのがそんな嬉しかったか〜!?頑張ったもんなぁ一瀬は。」


先生………。


やっぱり無理だよ…。


先生のこと、意識しないのは、無理。


諦めるなんて…できない。


どんなに現実が残酷でも


報われない恋でも


しょうがないよね…


好きになっちゃったんだから。


だから許して。



先生のこと、好きでいさせて…。