でも、よく見ると抱き合っているわけではなかった。


川上先生は手を回していなかった。


「あ……｣


先生はようやく僕達に気づき、小島先生から離れた。


「こ…小島先生が、怖がって、さ。しがみついてきた…だけだぞ？｣


小島先生を見ると、冷たい目で僕を見ていた。


でもどこか余裕な感じ。



「変な風に思ってないよ？詰まっちゃうから、先に行くね。｣


精一杯の笑顔で言った。


先生は安心したような顔をした。


ホントは泣きたいぐらいつらかった。


胸が張り裂けそうだった。


「やっぱあの二人ってできてんのかな…？｣


色々な仕掛けに怖がりながらも安西が聞いた。


「…わかんない。｣


あの二人のことを考えたくなかった。


…でも頭から離れなくて。