「……え?」


一瀬はポカンとしている。


それもそうだよな……。


でも……。


俺が殺したんだ。


俺が自殺に追い詰めてしまったんだ。


「…助けられなかった。あの時の俺は…なんにもわかっちゃいなかった…。」


誰にも話したことのない、俺の過去。


でもこの子…一瀬には。


話さなきゃいけない気がした。


俺の気持ちを察したのか、一瀬は


「聞くよ…先生。聞くまで帰らない。」


そう言うと、俺の目をしっかり見つめる。


「…俺がここの学校の新任になった時、桜井は二年生だった…。」


三年前……。


教師になりたての俺。


今でも鮮明に覚えてる。


あの時のことは…。