絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上

先生の部屋の掃除が終わった後に、親に電話したんだ。


出たのは……お母さんじゃなかった。


『歩…お前今どこにいるんだ…?』


恐ろしく冷たくて、低い声。


……お父さん。


今日は帰ってくるのが、いつもより早かった。


「友達の家っ…泊まるね」

『教師の家にいるんだろ…?母さんが言ってたよ…。その教師、文句を言ってきたらしいな…母さんに向かって。』


背筋に冷たいものが走った。


先生は、正しいことを言ったんだ。


文句なんかじゃない…!


『ホントに失礼で生意気な教師らしいな…まだ若いくせに。俺を誰だかわかってないようだな…』


何を考えてるか…わかる。


お父さんは、一瀬コーポレーションの社長。


そして…県教育長と、仲が良い。


「帰る!帰るから!先生に何もしないで!お願いっ…先生にはっ…何もしないで…。」


涙が溢れる。


先生を苦しめたくない。


先生に迷惑かけたくない。


先生が…教師を辞めさせられたら


僕は…もう。


生きていけない…。