黒の大きなワゴン車。


先生のカッコいい車。


その車の助手席に初めて座る。


…いいニオイ。


「一瀬、俺んち実はお前んちの近くって知ってた?」

「え!?嘘っどこ??」


「お前んちがでかすぎてわかんないかな…俺んちのアパート、小さいしな。」

そう言って先生は鼻の頭を触る。


あ…好きな仕草。


「だからお前からしたら耐えられないかもしれないぞ…」

大丈夫だよ……。


先生と一緒ならどんなとこでも耐えれるよ…


なんて言ったら逆に失礼な気がして言えなかった。


「お前好きな食べ物は?」


「え…と、オムライスかな…?」


「お!俺も好き!だからよく作るんだよ。今日はオムライスにしてやる…!」


俺も好き!…に、ちょっとドキッとした。


「てか先生、料理できるの?」

イメージでは、定食屋で食べてるイメージだけど…。


「俺ホント料理うまいから!なんでも作れるぞ…。」

そっかぁ…料理できるっていいな…。


キッチンに立った経験は、家庭科の授業だけ。


「いいなぁ先生。僕も料理できるようになりたい!教えてよ!」


「いいよ!うまいオムライスの作り方教えてやるよ」


すごく楽しみ…。


先生と一緒だとなんでも楽しいなぁ…。