「一瀬…?」

なかなか動こうとしない僕に先生の足も止まる。


「そうか…帰りたくないんだな…あの家に。」


なんでもわかるんだね先生は…。


「うん…」


「ずっと監視されてきたんだな…言っちゃ悪いけど、一瀬の親は、親じゃない」

あ…カメラのことも知ってるんだ…。


「もしかして…お母さんに何か言われた?」


「いや…俺は何も。ただ、あまりにも無責任な親だったから、俺が言っちまった…。」

「ありがとう…先生…。」

「俺んち…くるか?」