絶対ダメな恋 〜偏見の世の中を生き抜いて〜上

「ちょっと…家の中を走らないでくれます?失礼な人ね。なぜ泣いてるのかしら?」

この母親の冷静さは、何なんだ…?


モニターで見ただろう?


一瀬は部屋にはいないだろう?


「歩くんはっ……死ぬつもりです…!」

手紙を母親に渡す。


不思議でならなかった…。


母親は、それも読んでいる時も、読み終わった後も表情を変えなかった。


「…どうせ冗談よ。あの子にそんな勇気はないわ。あなたに障害のことを話したのは驚いたけど。すぐに帰ってくるわ。」


…もうだめだ…。


抑えられない…っ!


「なぜ冗談だと思うんだ…?心配じゃないのか?自分の息子だろう!?…たった一人の息子だろう!!」

俺が怒鳴り声をあげても、母親は表情を変えない。


「大きい声出さないで。私達も困ってるのよ。会社の跡継ぎのためにあの子を作ったのに、あんな障害があるなんて。これじゃあの子を作った意味がないわ。」