お母さんに気づかれないように家を出た。


気づいたって何も言わないだろうけどね。


毎日歩いてるこの道も、なんだか今日は違って見える。


……ああ、先生と…


バド優勝したかったな…。

先生とハイタッチするの、すごく幸せだった。


だってハイタッチって、僕が先生に求めていい限界だもん。


秋野はいいよね……。


秋野にイライラしてたのは、嫉妬…っていうよりも、単純に羨ましかった。


だって秋野は女だもん。


僕には到底できないこと、できるんだもん。


僕も先生の腕に触りたかった。