「…でないって言って…。」
ドアごしに、ため息が聞こえた。

「お母さんもそう言ったのよ。でもどうしてもって言うの。いいからでてちょうだい。この先生しつこいのよ。」

…先生の文句は言うな…


お前なんか母親じゃない…

電話を取る手が震える。


何を話せばいいんだろう…。

「……もしもし…。」


「…一瀬……。どうして休むんだ……?」


先生…………。


先生の声を聞いて、なぜかホッとしてる。


多分、心のどこかで先生の電話を待ってた。