【助けてくれて、ありがとな】


たった一言。


これだけ。


……もっと言うこと…


あるんじゃないの…?


涙が溢れる。


「…うぅ……うっ…。」

俊との思い出は全部ウソだったんだ……。


あの時もあの時もあの時も……!


トントン……

「…先生から電話よ。」

母親の声が聞こえた瞬間、

無理やり涙を止めた。