先生が僕の頭を撫でる。

「一瀬…お前のつらそうな顔を見るのは、俺もつらいんだ。お前には笑顔でいてほしい。」


信じてもいい…?


この手に、しがみついてもいい?


その時、天道の言葉を思い出す。


『センコーは何もしてくれねぇよ。』

『チクったら、お前と池田は終わりだけどな。』


………!!


席を立って、バッグを乱暴に持つと、教室から逃げるように飛び出した。


後ろで先生の声が聞こえる。


何度も僕を呼ぶ声が。


ごめんね…先生。


やっぱり怖いんだ。



あんな思いは、絶対嫌なんだ。