いつの間にか、放課後だった。


…もうそんな時間たったっけ?


午後からの授業のことは全く覚えていない。


教室にいるのは、窓を閉めている川上先生と、その横に秋野ゆみ。


「ねぇ先生〜?先生って彼女いないんだよねぇ〜??年下に興味ある〜??十歳くらい年下ぁ。」

あの甘ったるい声には限界がないのか…


しかもその質問は、『私、恋愛対象になりますか〜?』って言ってるのと同じ。

「俺、そんな年下は無理かな。そんなことより、早く帰りなさい。」

秋野は、ぶすーっとスネる。


「はーい…さようならー。」

やけに足音を立てて教室から出る。ホントにいじけたようだ。


……帰ろっかな。


バッグを持って、席を立つと


「一瀬は居残り。個人面談をします。」