偽人〜消えるのはもう一人の自分か、それとも…〜

「あれくらい大丈夫だよ。私だってああいうことは沢山しちゃってるから。」

「…わっ、私はダメなの!あんなの…もうこりごりよ…っ!!!!」

「で…」

ガラッ。保健室の先生がきた。

「どうしたのかしら?」

「あ、あの。体育の授業でボールが顔に当たっちゃったみたいで…。」

「そうなんですか!」

「桃奈ちゃん戻ってていいよ。次の授業始まっちゃうから。」

と、亜理紗ちゃんが作り笑顔で言ってくれた。

「あ…うん。失礼しました。」

廊下は少し薄暗い。

「ここどこだっけー。あー北棟か。」

少し寒気もしたので足早に教室へ向かった。



『ガララララーッ』

教室に戻ると、みんなお昼の準備をしていた。

話題は…体育のこと。

ところどころで

「めっちゃ笑えたー」や「おもしろ!ってかハズっ!」などの声が聞こえる。