偽人〜消えるのはもう一人の自分か、それとも…〜

・・・

「あはははははーーーーっ!!!!」

みんなの笑い声が体育館に響く。

私は慌てて亜理紗ちゃんにかけよったの。

「大丈夫!?」

「・・・。」

その間も笑い声はおさまらない。

「保健室へ行こう。」

「1人で行けるわよ。」

そう言って亜理紗ちゃんは立ち上がって走っていってしまった。

だから慌てて追いかけた。

保健室につくと暗かったので誰もいないのかな、と思ったら
中で誰かのすすり泣く声がした。

「亜理紗ちゃん?入るね。」

ガラッ。
中に入ると一瞬誰もいないかのようにしんとしていて、
聞き間違えだったんじゃないかと思ったくらい。

でも、やっぱりいた。

1番奥のベッドに。
亜理紗ちゃんはベッドに顔をうずめて泣いていたの。

「…うっ…うぅ。」

「平気??」

「・・・。」