「向上心は老人だけでもなく、若者だけでもなく、幼児でもいいってことか。でもさ、老人からみたら幼児も若者に入るでしょ。若すぎる者って感じもするけど」
「そこは突っ込むな。反論の言葉を俺は持っていない。でも、なんかコイツにはその言葉がぴったりくるような気がしてさ」
古沢は顎でしゃくり、ぬいぐるみを指し示した。
その後リボン紐がないかと言われ、いつかのおばあさんにもらった裁縫箱を思い出した。
以前クローバーの栞を直した古沢へのお礼としてもらったもので、ナツミがマスターから預かったものだ。
その裁縫箱にラッピングしてあった赤いリボン。
あれが丁度いいのではないか。
ナツミは自分の部屋だと紛失しかねないと思い、古沢の部屋にこっそり隠している。
近頃出番のまったくなかった高級ミシンの裏側辺りに。
それを教えてやると「マジでか」と目を真ん丸くさせて古沢は襖の奥を探しに行った。
一分もしないうちに戻ってきた古沢の顔は完敗したと言わんばかりにうな垂れている。
「わかった、ありがたく受け取ってやる」
昨夜のことを思い出すと、ナツミは笑ってしまう。
ナツミとしては、結果なにもかもがしてやったりである。
「それにしても、まるで、背中を押すような言葉だね」
「そこは突っ込むな。反論の言葉を俺は持っていない。でも、なんかコイツにはその言葉がぴったりくるような気がしてさ」
古沢は顎でしゃくり、ぬいぐるみを指し示した。
その後リボン紐がないかと言われ、いつかのおばあさんにもらった裁縫箱を思い出した。
以前クローバーの栞を直した古沢へのお礼としてもらったもので、ナツミがマスターから預かったものだ。
その裁縫箱にラッピングしてあった赤いリボン。
あれが丁度いいのではないか。
ナツミは自分の部屋だと紛失しかねないと思い、古沢の部屋にこっそり隠している。
近頃出番のまったくなかった高級ミシンの裏側辺りに。
それを教えてやると「マジでか」と目を真ん丸くさせて古沢は襖の奥を探しに行った。
一分もしないうちに戻ってきた古沢の顔は完敗したと言わんばかりにうな垂れている。
「わかった、ありがたく受け取ってやる」
昨夜のことを思い出すと、ナツミは笑ってしまう。
ナツミとしては、結果なにもかもがしてやったりである。
「それにしても、まるで、背中を押すような言葉だね」

