そんな自分が少しだけ、恥ずかしいと思った。
人の心がわからない自分が、恥ずかしいと思った。
古沢も血の通った人間なのに。
古沢はどんな想いを溜め込んでいるのだろう。
「コイツ、無駄に顔だけはいいんだよな」
古沢の眦を指でなぞる。
拭っても、拭っても涙が止まらない。
「指じゃ、埒が明かないね」
タオルを取ってこようか。
立ち上がろうとした瞬間、手首を掴まれた。
あとはもう、魔が差したとしか言いようがない。
自分がしばらく、そういうことにご無沙汰だったこともあるし、満月の夜でもあったし。
それ以上に泣き続ける古沢を放っておけるはずもなく、その腕に抱かれてしまった。
ことの最中に古沢の背中に猫に引っかかれたよりも大きく痛々しい傷痕があることに気づいた。
以前ニュースかなにかで見た、人間の虐待かなにかで片方の翼を失くした鳥のような裂けた傷痕だ。
古沢にはそれが二本あった。
古沢の髪が月の光と同じ色をしている。
そして、体温にすがるように泣いている。
ナツミは咄嗟に見てはいけないものを見てしまった気がした。
小さい頃に親の性行為を偶然目撃してしまった衝撃よりも、中学のときに見た事故現場の惨状に近いかもしれない。
―――――広瀬も古沢くんと同じ髪色をしていたな。
人の心がわからない自分が、恥ずかしいと思った。
古沢も血の通った人間なのに。
古沢はどんな想いを溜め込んでいるのだろう。
「コイツ、無駄に顔だけはいいんだよな」
古沢の眦を指でなぞる。
拭っても、拭っても涙が止まらない。
「指じゃ、埒が明かないね」
タオルを取ってこようか。
立ち上がろうとした瞬間、手首を掴まれた。
あとはもう、魔が差したとしか言いようがない。
自分がしばらく、そういうことにご無沙汰だったこともあるし、満月の夜でもあったし。
それ以上に泣き続ける古沢を放っておけるはずもなく、その腕に抱かれてしまった。
ことの最中に古沢の背中に猫に引っかかれたよりも大きく痛々しい傷痕があることに気づいた。
以前ニュースかなにかで見た、人間の虐待かなにかで片方の翼を失くした鳥のような裂けた傷痕だ。
古沢にはそれが二本あった。
古沢の髪が月の光と同じ色をしている。
そして、体温にすがるように泣いている。
ナツミは咄嗟に見てはいけないものを見てしまった気がした。
小さい頃に親の性行為を偶然目撃してしまった衝撃よりも、中学のときに見た事故現場の惨状に近いかもしれない。
―――――広瀬も古沢くんと同じ髪色をしていたな。

