警察官にそう言った手前、連れて帰らなければならない。
ここに古沢を放置して自分が逃げてしまえば、あの警察官はナツミの顔をばっちり覚えているだろうし、なにか問題が起こってしまうかもしれない。
古沢の家は知らない。
けれど幸いなことに、ナツミの住むアパートはここから三分もかからない。
「古沢くん、起きろって。さすがにきみをお姫さま抱っこできるくらいの腕力、持ってないから」
ナツミは一気に珈琲を飲み干し気合を入れる。
一向に起き上がる気配のない古沢と肩を組むようにして歩き出す。
重いちゅーねん!
古沢の体重を支えきれず足元が覚束ない。
高ヒールのパンプスが邪魔だ。
これはもう寿命だったと割り切って空き缶と一緒に園内のゴミ箱に捨てた。
裸足で歩くなんて小学生以来だよ!
と悪態をつきながら家路を歩く。
玄関を開け古沢を放って足裏を見ると、伝線したところから血が滲んでいた。
そのストッキングを脱ぎ捨ててから仰向けにした古沢の脇を掴み、死体でも運ぶように引き摺ってリビングに移動した。
「オバサン、もう体力の限界が――――」
自分のことをオバサンと呼ぶとオバサン化が進むというが、今の自分はオバサンを通り越してオバーサンのようだろうと思う。
ここに古沢を放置して自分が逃げてしまえば、あの警察官はナツミの顔をばっちり覚えているだろうし、なにか問題が起こってしまうかもしれない。
古沢の家は知らない。
けれど幸いなことに、ナツミの住むアパートはここから三分もかからない。
「古沢くん、起きろって。さすがにきみをお姫さま抱っこできるくらいの腕力、持ってないから」
ナツミは一気に珈琲を飲み干し気合を入れる。
一向に起き上がる気配のない古沢と肩を組むようにして歩き出す。
重いちゅーねん!
古沢の体重を支えきれず足元が覚束ない。
高ヒールのパンプスが邪魔だ。
これはもう寿命だったと割り切って空き缶と一緒に園内のゴミ箱に捨てた。
裸足で歩くなんて小学生以来だよ!
と悪態をつきながら家路を歩く。
玄関を開け古沢を放って足裏を見ると、伝線したところから血が滲んでいた。
そのストッキングを脱ぎ捨ててから仰向けにした古沢の脇を掴み、死体でも運ぶように引き摺ってリビングに移動した。
「オバサン、もう体力の限界が――――」
自分のことをオバサンと呼ぶとオバサン化が進むというが、今の自分はオバサンを通り越してオバーサンのようだろうと思う。

