「ねえ古沢。栞を作ってもらったときに思ったことなんだけど、四葉のクローバーを持っていて幸運が続いて、それを手放したらどうなるんだろう。自発的なら別だろうけど、それが不意だったらどうだろう。どんな気持ちかな」
虚をつかれた古沢が、彷徨わせた手を顎に持っていって考え始めている。
ナツミは古沢をさらに混乱させるべく、言葉を重ねる。
「突然不幸に襲われた気分になってしまうのかな、それが続くような気がしてしまうのかな。他人から見たらまったく不幸なことではないのに」
口を挟もうとする古沢を遮り、思考を誘導する。
天使の羽根からおばあさんの栞、そしてぬいぐるみに意識を持っていくように。
古沢は案外単純にできている。
だから自分のような、わるい人間に引っかかるのだ。
「そうなってくると、猛烈に同じものが欲しくなって、手に入ったら依存のように手放せなくなるね。ハルさんの作ったものにも四葉のような効果があるわけだし、このぬいぐるみも同じなんだと思うんだよね。栞よりも、時間も手間もかかっているわけだから、効力も相当なものだと思うし。この子の持ち主は今、どんな気持ちなんだろうね? ―――古沢の習慣は知ってるけど、まだご飯作ってないから、先にお風呂入ってもらえると非常に助かる」
言葉を紡ぎだそうとしている古沢の肩を叩いて部屋を出る。
作戦は成功したようで叱られなかったが、素直に喜べないのは、今日来店したマスターの気落ちした表情を見たからだろうか。
虚をつかれた古沢が、彷徨わせた手を顎に持っていって考え始めている。
ナツミは古沢をさらに混乱させるべく、言葉を重ねる。
「突然不幸に襲われた気分になってしまうのかな、それが続くような気がしてしまうのかな。他人から見たらまったく不幸なことではないのに」
口を挟もうとする古沢を遮り、思考を誘導する。
天使の羽根からおばあさんの栞、そしてぬいぐるみに意識を持っていくように。
古沢は案外単純にできている。
だから自分のような、わるい人間に引っかかるのだ。
「そうなってくると、猛烈に同じものが欲しくなって、手に入ったら依存のように手放せなくなるね。ハルさんの作ったものにも四葉のような効果があるわけだし、このぬいぐるみも同じなんだと思うんだよね。栞よりも、時間も手間もかかっているわけだから、効力も相当なものだと思うし。この子の持ち主は今、どんな気持ちなんだろうね? ―――古沢の習慣は知ってるけど、まだご飯作ってないから、先にお風呂入ってもらえると非常に助かる」
言葉を紡ぎだそうとしている古沢の肩を叩いて部屋を出る。
作戦は成功したようで叱られなかったが、素直に喜べないのは、今日来店したマスターの気落ちした表情を見たからだろうか。

