呼んでいますと真智が囁いて脇を通り過ぎる。
カケルは我に返って声のするほうに顔を向ける。
カウンター脇の、入り口側にある会計コーナー。
その二畳ほどのスペースにはハルが作っている小物などが置かれている。
制服姿の女子高生はカフェで休憩ではなく、脇目も振らずこのコーナーへ来ていた。
選び終えたのだろう。
「テディベアってもうこれだけなんですか?」
「はい、並んでいるだけですね」
女子高生の両手に納まっている小さなテディベア。
藍色の生地で肩口にピンクのボタンがついている。
「やっぱり二個は無理かー」
このところハルの具合がわるく、制作スピードがさらに落ち、空いたスペースはハンドメイドを嗜むご近所さんの作品が自由な値段をつけて売られている。
「ここで買ったテディベアには幸運が宿っているってうわさがあるんです。友達の分も欲しかったんだけどなぁ、しょうがないかぁ」
女子高生は整えられた長い爪で落ちた前髪を耳にかけた。
よく見ると睫もバサバサに長く、化粧も濃い。
正直タイプじゃないなと思うのは、まだ守備範囲内ということなのだろうか。
まだまだ自分も若いなと心の中で苦笑する。
カケルは我に返って声のするほうに顔を向ける。
カウンター脇の、入り口側にある会計コーナー。
その二畳ほどのスペースにはハルが作っている小物などが置かれている。
制服姿の女子高生はカフェで休憩ではなく、脇目も振らずこのコーナーへ来ていた。
選び終えたのだろう。
「テディベアってもうこれだけなんですか?」
「はい、並んでいるだけですね」
女子高生の両手に納まっている小さなテディベア。
藍色の生地で肩口にピンクのボタンがついている。
「やっぱり二個は無理かー」
このところハルの具合がわるく、制作スピードがさらに落ち、空いたスペースはハンドメイドを嗜むご近所さんの作品が自由な値段をつけて売られている。
「ここで買ったテディベアには幸運が宿っているってうわさがあるんです。友達の分も欲しかったんだけどなぁ、しょうがないかぁ」
女子高生は整えられた長い爪で落ちた前髪を耳にかけた。
よく見ると睫もバサバサに長く、化粧も濃い。
正直タイプじゃないなと思うのは、まだ守備範囲内ということなのだろうか。
まだまだ自分も若いなと心の中で苦笑する。

