ユウウコララマハイル

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読んでいた文庫小説に栞を挟んで閉じ、太股の下に隠した。
今「天使の休息」というタイトルに古沢が気づいたら、不機嫌を拗らせてしまうかもしれない。
お陰で座り心地が非常にわるい。


「おっ、やっとでき上がったか」


古沢はカルボナーラとサラダを片腕に器用に乗せて運んできた。
さすがカフェ店員というべきか。


昼間の眩しい陽射しが嘘のように外は真っ暗だ。
古沢に限ってのことではないと思うが、男性は凝り性というのが如実に現れる時間が経った気がする。


時間をたっぷり使ってできた夕食。
その間にナツミは古沢の部屋を隈なく、荒らす前より綺麗な状態にすべく掃除し、さらに文庫小説を半分ほど読み終えている。


まさかこの二品でこんなにも時間がかかったのではあるまいな。
アイツはパスタを茹でるお湯の分量まで細かく量りそうな男だ。


ナツミの予想は若干外れ、古沢はパスタを作る前にデザートの下準備をしていたそうだ。