ユウウコララマハイル

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冷静になった頭が自分を分析する。


天使の話をされると、つい尖ってしまう。
わるいことなんてひとつもないのに、上から目線で叱られている気になるらしい。
中村は外見だけで中身を決めつける、そういう人種の人間と違うことが充分にわかっているのだけれど。


「進歩がねえな、俺」


いまだにこの外見は好きになれない。


黒い髪、黒い瞳。
そんな生粋の日本人の両親から産まれているはずなのに、祖父母もそんな風貌でいるのに、どうして自分はこんな外見で産まれてきたのだろう。
ほんのりオレンジに色づいた白髪のような髪と、透明に近い茶色の瞳。


学生の頃も社会人になっても、まず国籍の説明をしなければならなかったし、生粋の日本人だと知ると、定年を控えた方々には不良扱いを受けることもしばしば。
髪が黒でないだけで染めたと決めつけ、カラーコンタクトを外せと迫られることも少なくなかった。


あれは取引先に謝罪に行ったときだっただろうか。
どんなミスかは忘れたが、「こんな上司だから部下がミスをする」というニュアンスを言われたことがあった。
そのあとくどくど外見についてとやかく言われた気がする。
同行した中村が「生まれもってのものだ」と説明しても聞く耳を持たず、いつしか論点が摩り替わり問題のことが棚上げになってしまった。
自分も反論する気になれず聞き流していたところに「信じられないなら、陰毛見せてやれば?」と中村が言い放った。
中村も気に入らなかったのだろう、「外見で人格を決めつける言動は御社の方針なのですか」と、逆に謝罪をもぎ取っていたことを思い出す。