シルビア





そして望とふたりやってきたのは、13階の打ち合わせブース。

以前葛西さんたちと4人で使用したこともあるその小さな個室で、私は望と向き合う形で資料やタブレットの中のカタログを見る。



「木製のナチュラル系もいいし、ガラス素材のクリアなものもいい。相性ではロマンティック系が抜群にいいけど、目新しさはあんまりないかも……」

「展示予定のアクセサリーのデータ、見せてもらってもいい?」

「えぇ」



望は一緒に考えようと、私が持っていた『来春発売予定商品』のカタログを手に取ると、中心となるパール系に春らしいシフォンやレース素材の商品たちに目を通す。



「へぇ、結構種類あるんだねー……」



見れば、目の前には紙に目を向ける真剣な顔。

いつものへらへらとしたものとは違う、睫毛を伏せたその真面目な表情に、不覚にも心がドキッと音を立てる。



って、なに意識しているの!私!

だけどこうしてふたりでいると、どうしても心は意識を止められない。



いつもへらへらしているけれど、不意にこういう顔を見せたりするんだもんなぁ。

あのバラだって、そう。なんてことない顔をして買っていてくれた。そういうところがまた、この心を揺らすんだ。



思い浮かべるのは、部屋に飾られた赤いバラの花。

あ、あのバラとこのパールのネックレス似合いそうだなぁ。これを飾るとしたら、白いテーブルじゃ色がぼけるからガラス系かな……。



「あ!!」

「へ?」



その小さな想像から、一気にひらめいたディスプレイ。

それを形にするように、私は用紙にメモをし、タブレットを操作し画像を表示しながらカタログをバラバラとめくり、と一気に動き出す。