シルビア




「なのにまさか、再会するなんて。でも何年かぶりに見ても凛花は凛花のままで、やっぱり好きで、他人でいようと思ったのに、いられなかった」

「望……」

「3年間、ずっと忘れたかった。なのに、忘れられなかった。考えれば考えるほど、後悔して、悲しくて、好きだと思った」



3年間、互いに心の奥底に隠し続けていた。

好きで、好きで、でもどうしようもない気持ち。



「……ごめんね。これが今まで、凛花に隠してたこと。それを全部知ったうえで、聞いてね」

「なに、を……?」

「俺のことは、忘れてほしい」



忘れ、て?



……あぁ、そういう意味。

今まで隠していたことを話してくれたのは、信頼とか、そういうのじゃなくて。あまりにも私がこだわるから。

これなら納得できるだろうって、こと?

こんな自分からは、距離を取ってくれってこと?



「ごめん、本当にごめんね……」



その『ごめん』は、なんの『ごめん』?

なんだとしても、あぁもう、本当に。



込み上げる気持ちに、私は視界をにじませる涙を両手でごし、と拭う。

そしてそのまま望へとそっと手を伸ばし、その頬を撫でるように触れたかと思えば、パン!と挟むようにその頬を叩いた。



「いっ!」

「このバカ。さっきから謝りすぎ」

「え……?」



バカ。大バカ。

なに勝手に謝ってるのよ。なに勝手に、私の気持ち決めつけてるのよ。



「本当勝手な男。私の気持ち決めつけて、気遣ったつもりでいなくなったりして、忘れてなんて……」

「だって、」

「私は、望がなんと言おうと望といる。大変とかつらいとか、そんなものは私が決めるの。私のなかの基準に従うの」



ねぇ、知ってる?

大切な人のためなら、どんな大変なことも苦労になんてならないんだよ。



好きだから、なんでもしたいと想えるの。

例え泣く日が来たとしても、それ以上の幸せがある。