疑って、失って、また出会って、気持ちを隠して。
傷つきへこんで、ようやく伝えた気持ちにも、答える言葉は返ってこなかった。
私は今までずっと、いなくなるということは嫌われたからだと思っていた。
だけど、ひとつ気づいたの。
他に理由が、あるのかもしれないということ。
想いはそこにあって、だけど一緒にいられないなにかが、あるんじゃないかって。
『嫌い』だとか『さよなら』とか、決定的な言葉すらも言ってくれないのは、言う価値もないからだと思ってた。
けど、もしかしたら『言えない』の、かもしれない。
だとしたら、その理由をやっぱり知りたい。
知りたいよ、全部。なにひとつこぼすことなく。
「凛花さーん、このテーブルはここらへんで大丈夫ですか?」
「うん、オッケー!そしたら次は商品並べ始めて」
翌日。展示会前日を迎えた私たちは、都内にある広いホールのとあるブースにて、朝からせかせかと動き回っていた。
白い壁に、木製の板を貼った床。アイアンの猫脚テーブルに、おそろいのチェアとガラス張りのショーケースと決して派手ではないインテリアたち。
けれどそれはエレガントな花モチーフのものはもちろん、シンプルなジルコニアやパールのついたアクセサリーも際立たせてくれる。
透明感を前面に出したことで綺麗さや爽やかさも出て……うん、イメージ通り。
段々と出来上がっていく展示ブースに私はセーターの袖をまくり、うんうんと満足げに眺めた。



