『話し合いな。本当のことは聞かなきゃ分からないんだから』
それは、あの日。昔の自分に重なった彼女に、自分と同じようになってほしくなくて、かけた言葉。
聞かなきゃ、分からない。
その言葉の意味。
『凛花のことを想うと、つらいよ』
どうして、つらいのか。どうして、悲しくて、苦しくて、涙を流したのか。
まだなにひとつ聞けていないこと。
確かめないまま、終わっていいの?
何度も跳ね除けられて、逃げられて、距離をとられて。その度心は、痛い。
けど、それでも、なにも分からないまま本当に離れてしまうことのほうが、痛い。
小さく頷いた私に、黒木ちゃんはそっと手を握る。
「私、凛花さんも幸せになってくれなきゃいやですから」
「黒木ちゃん……」
「だって私にとって一番尊敬する先輩ですもん。どんな答えになっても、後悔だけはしないでほしいから」
そう言い切ってこぼされた笑顔。それは明るく、優しいもの。
どんな答えになっても、後悔だけはしないように。
心強いその言葉に、握られた手を、ぎゅっと握り返した。



