そんな状況が自分にとって不利だと感じたのか、焦りから織田さんはしゅんとしていた眉をキッと上げ表情を豹変させる。
「な、なんで宇井さんその人の味方ばっかりするんですか!付き合ってるって噂もあるし……こんな人のどこがいいんですか!」
『こんな人』って……。
指を指す彼女の態度に柳下さんは少し驚いたような顔をする。
それもそうだろう。先ほどまでぐすぐすと泣いていた子が、突然強気な態度をしてみせるのだから。
そう思うと、柳下さんはプライドは高く性格もきついけれど、純粋な人なのかもしれない。
そんな中でも、望は迷うこともなく。
「別に、俺と三好さんはただの同僚でそれ以上はなにもないよ。……けどひとつ挙げるとすれば、織田さんみたいに可愛いのも演技が上手いのもいいけどさ、一番は誠実でいることだと思う。そういう本質に、人は惹かれるんだと思うよ」
『誠実でいること』、そう言って望は、「ね」とこちらを見て笑った。
織田さんのそういうところまで、全部分かっていたんだ……。
わかったうえで優しくしていたのだとしたら……恐ろしい男だ。
感心するような、複雑な気持ちで見れば、織田さんは言葉を詰まらせ悔しそうに黙り込む。
そんな彼女たちをその場に置き去りに、私たちはぞろぞろとその場を後にした。



