「っ……終わったー!」
それから数時間もの間、私たちは休むことなく作業に追われ、ようやく最後の荷物の出荷準備を終えた喜びにばんざいをした。
見上げた壁の時計は、もうすぐ19時になろうとしている。
「みんなのおかげでこんなに早く終わったよー!ありがとう!」
「じゃあ、せっかくだし皆で飲みにでも行きますか!もちろん凛花さんのおごりで!」
「も、もちろん……おごりますとも」
解放感からはしゃぐように話しながら、皆で荷物を取りに12階のフロアへと向かうべく階段をおりる。
すると、そこにちょうど通りがかったのは、帰ろうとしていたところらしい柳下さんと織田さん。
この時間まで女同士で話をしていたのだろう。……どんな話をしていたのかは、なんとなく予想出来てしまうけれど。
すぐさま柳下さんの背後に隠れる織田さんの一方で、柳下さんは相変わらず気の強そうな目で、昼間同様にこちらを睨みつけた。
「あら、こんな時間までご苦労様。残業だっていうのに楽しそうでいいわねぇ」
「……柳下さんと織田さんこそ、お疲れ様です」
それに対して私も、すぐに言葉が飛んできそうな黒木ちゃんたちを背後に隠して、冷静に挨拶を返す。
「聞いたわよ?アクセサリー事業部全員で織田さんのこといじめてたんですって?ひとりをいじめて皆仲良しだなんて……つくづく最低なのね」
って……え?織田さんを?いじめてた?
誰が?いつ?
初めて聞くその話に困惑しながら後ろの皆を見れば、その場の全員が私と同じ顔で首を傾げている。



