シルビア




あぁ、もう。やっぱり望にはなんでもお見通しで、敵わない。

目元に小さくにじんだ涙を急いで拭い隠す私に、望は優しい微笑みを見せた。



自分のせい、自分が、そう言い聞かせながらも、本当は分かってほしかった。誤解されたく、なかった。

そんな心を読み解くように、笑う優しさが心ににじんだ。



「よし、俺も手伝う。なにすればいい?」

「えっ、いいよ。他に仕事あるだろうし、そもそも今はお昼休憩……」

「いーのいーの。ひとりよりふたり、でしょ」



望はそう「へへっ」と笑うと私の隣の椅子へ座り、分からなそうながらも同じように商品へと手を伸ばした。



ひとりより、ふたり。

そんな風に笑って言うから、つい甘えてしまうよ。



「いや、ふたりより3人じゃない?」

「それより4人ですよ~」

「え?」



するとそれに続いて部屋に姿を見せたのは、武田さんに黒木ちゃん、アクセサリー事業部の皆……。



「みんな……なんで、」

「凛花さんひとりにやらせてごはんなんて食べられませんよ!」

「そうそう、みんなでやればすぐ終わりますし!」



驚く私に、皆はえへへと笑ってそれぞれに作業に取りかかる。



「そういうことだから、ひとりで抱え込まないようにね」



ぽん、と肩を叩く武田さんの笑顔は頼もしく、『でも』の言葉を飲み込んで素直に頷くことが出来た。



嬉しい。自分のことを分かってくれる、支えてくれる人がいること。

それは、全て分かりきったような顔をする彼に対しても、感じる嬉しさ。



誰かに誤解をされても、疑われ、嫌な顔をされても。その笑顔に、幸せだと思える。