「っ……いい加減にしなさい!!!」
怒りをぶつけるように大声をあげ、目の前のデスクをバァンッ!!と力いっぱい殴れば、その場はしん、と静まり返る。
「なにが不満なのか知らないけど、他人や会社に迷惑かけてどうするの!!私たちの先には、その商品をどう売ろうか考えて待ってる取引先や、買おうと待ってるお客さんがいるの!それをこんな形で無碍に扱うんじゃない!!」
我慢、我慢。そう抑えてきたけれど、その態度はどうしても許せない。
所詮私たちは元は小さな会社。だけど取引先がある以上、物を届けるのは私たちの役目だ。
その役目を皆抱えて、それぞれに物を作って、営業して、自分にできる立場で頑張っている。
そうやって築いてきた信頼や努力を、こうして壊されることだけは、いやだ。
「私への不満は私だけにぶつければいいでしょ!社会人としての責任を持ちなさい!!」
怒りは大きな声となって現れ、その場にいた全員は無言で私と織田さんを見る。
かと思えば、突然織田さんの瞳からはポロポロッとこぼれだした涙。
「はっ!あ、いや、織田さん……」
し、しまった……言いすぎた!!
抑えていた分、一気にぶつけた感情がよほど衝撃的だったのか、織田さんは鼻を赤くしてぐすぐすと泣き始めた。
「ちょっと、なんなの今の……こっちまで声丸聞こえなんだけど」
するとそこにちょうどよくドアから顔を覗かせたのは、柳下さんをはじめ営業部の女性陣。
この室内の不穏な空気を感じ取るようにこちらを見る彼女たちに、織田さんはたたっと駆け寄る。
「柳下さぁ~ん……三好さんがぁ~っ……」
すかさず泣きつく織田さんに、私に対して柳下さんたちは一層厳しい目を向けた。



