「って、織田さん!?この件引き受けたの!」
「えー、あ、はーい。私ですけどぉ」
「出荷作業は!?なんでしておかないの!?」
「忘れてましたぁ。すみませーん」
つい大きな声で問うと、これからお昼に出ようとしていたところらしい織田さんは、財布を手に口を尖らせる。
その顔から『うるさいなぁ』という不満は読み取れても、反省の色は一切見えない。
「忘れてたって……今織田さんが引き受けてる仕事の数そんなにないでしょ!?それもこんな大きな案件……」
「忘れてたものは忘れてたんですぅ。人間誰しもミスくらいあると思いますけど」
開き直るようなその態度に、黒木ちゃんや他の女の子たちは顔をひきつらせ今にも声を荒げそうだ。
彼女たちの突き刺さるような視線を受けてもなお、織田さんは気怠げにため息をつく。
「もういいですかぁ?お昼食べたーい。それとも、お昼休憩もくれないようなブラック企業ですかぁ?こわーい」
「ブラック企業って……」
「ていうか、宇井さんに色目使ってる暇があるなら自分で確認するべきだったんじゃないですかぁー?どうせ仕事しか出来ないんだから、それくらいやってくださいよぉ」
あぁ、そうだね。人間誰しもミスくらいある。私にだって、ある。
けど、私に対する苛つきでこんなことをしでかしたのだとしたら。そんなことは、当然あってはならない。
行き着いた思考に、ついに私の頭の中では何かがブチンッと音を立てる。



