何度、何度、落ち込んでも、泣きそうになっても、それでもやっぱり、少しは期待していたよ。
もしかしたら、そうほんの少しの光に賭けて、捨てたはずの期待を手にとっていた。
淡い期待、すぐ消えてしまうもの。そう、分かっているのに。
「っ……どりゃあっ!!」
「わ!?」
そんな気持ちを振り払うように、私は思い切りデスクに頭をガンッ!と叩きつける。
「り、凛花さん!?いきなりどうしたんですか!?」
「ちょ、ちょっと眠気を吹っ飛ばそうと思って……」
唐突な私の行いに彼女は驚いている、というか少し引いている。けど、じんじんと痛む額に余計な気持ちは吹き飛んだ気がする。
すると、フロアに駆け込んできた黒木ちゃんは私を見つけると慌てた様子で声をかけた。
「凛花さん、すみません!今日営業行って貰えませんか?」
「え?いいけど、どうかしたの?」
「今日渋谷の店舗営業行く予定だったんですけど、どうしても外せない打ち合わせが入っちゃって……」
「そっかそっか、いいよ。行ってくる」
渋谷にある取引先の雑貨店の資料を黒木ちゃんから受け取ると、話もそこそこに外回りの準備をする。
ファイルにペン、新作のサンプルも持って……上着も着ないと寒いよね。
よし、と支度を終えフロアを出ようと歩き出すと、黒木ちゃんからは思い出したように言われた一言。
「あ、あと今日の営業宇井さんも同行するので、営業部に声かけて行ってください」
「は!?宇井さんも!?」
「はい。今度から営業任せるのにまずは一緒に回るのが一番いいからって」
こ、このタイミングで、まさか望と一緒にだなんて……!
気まずい、いやだ、そう思うものの、そんなことを口に出せば『どうしてですか?』と聞かれてしまうのが目に見えている。
仕方ない、行くしかないか……。そう諦めたように、また深い溜息をつきながらフロアを出た。



