ーー105号室 斉藤ことね そう書かれたプレートを確認した後私は静かに病室の扉を開ける。 扉を開けると、そこにはベッドから上半身を起こしてただただ月を眺める女の子がいた。 扉を開ける音からして彼女がこちらに気づかないことはない。 だけど彼女は関係もなく月を眺め続けている。 その光景に私はただ綺麗だ。と思った。