翌朝。 イブ様の様子見終え、軽い準備をして私は現世へと来ていた。 …昨日までは視察だから少しの気の緩みは許されたけど、今日からは本気で任務に取り組まないといけない。 途端に、昨日の展望台での出来事が蘇る。 正直、慣れないことに取り乱したりもしたけど平常心平常心。 ようやくいつもの調子が戻った頃、私は今日の目的地の前にいた。 『第1章 出会い』 私はそう小さく呟く。 この物語はまだ、始まったばかりだ。