まるで”まってる”といっているような別れの言葉を言って彼は帰っていった。


「馬鹿じゃないの…っ。」


呆然と立ち尽くしたまま、ようやくの思いで出た言葉はそれだけだった。


白黒だけだったはずの”感情”が、少しだけ、色づいた気がした。