「おはよう! 」
いつもの朝
いつもの学校
普段通り......だと、思っていた
「なんでこんなに男子ニヤついてるの?」
私はハテナをいっぱい頭に浮かばせながら美晴に聞いた。
「だって今日はバレンタインの日じゃない?」
そうか。
今日はバレンタインの日なんだね。
クラスの女子も辺りをキョロキョロ見回している。
きっと好きな男子がいるんだろう。
そう考えながら席に座ると、後ろから話しかけられた。
「おはよう!梨沙!今日はバレンタインだよぉ~??」
いつもよりテンションが高い実月(ミツキ)は同じクラスの山田 達己(ヤマダ タツキ)にずっと恋をしている。
実月は人一倍乙女で、とっても可愛い。
「おはよう、実月。そうだね!ところで、達己にチョコあげるの?」
ニヤニヤしながら「もちろん!」と、答える実月。
「美晴は?大輔くんにあげるの?」
美晴はサッカー部の超イケメン大輔くんと付き合っている。
誰もが羨む憧れのカップル
「あげる!夜はふたりでデートっ」
本当にラブラブですごい羨ましい。
ふたりを見ていると自分までニヤけてしまうよ。
「梨沙は~?もう2年生だよ~」
「あはは~まだかな~」
私は2回も好きになった人に裏切られている。
だから恋愛が怖いんだ。
この人いいなって思っても結局は捨てられるんだし、こんなに辛い思いするなら、
一生一人でいい。
別に彼氏がいなくたって、旦那さんがいなくたって、生きていけるもん。
友達がいれば充分!
「梨沙は可愛くてモテるのにもったいなーい」と、腰を触ってくる実月
「実月の方が100倍可愛いよ」
「えへへ~」
実月と美晴を見てると、幸せそうで
羨ましい。
どうしてこんなにも人生はうまく行かないんだろう。
私、何かしたかな?
きっと神様は私のことが嫌いなんだろう。
私と実月とで美晴を攻めまくる
少し困った顔をしながら、
「わかったわかった!ちょっとは私の話を聞いてよっ」
あ、そうだった...
美晴の話をちゃんと聞かなきゃね。

