──美晴の家




やっとついた...


少し深呼吸をして、インターホンを押した




「り...さ...?なんで...いるの?」


インターホンから聞こえる美晴の声。

震えている。


「私、大輔くんに聞いたよ」

「......」


「美晴、誤解してた。あの人は大輔くんのお姉ちゃんなんだって。」


「......」


どうして答えないの?

どうしてドアから出てこないの?


「ねぇ、美晴?何で黙っているの?」


「もう...無理だよ...。前もね、こんなことあったんだ。大輔が...女の人とデートしてたところを私の友達が見たんだって。なんか...っ、もうどうでもよくなった。」



どうでもよくなった。って

なんで?

今まで大輔くんと美晴、2人で笑ってた。
幸せな顔してたじゃん。

なに?あれは全部嘘だったの?

作り笑いしてたの?


「明日別れる」


「み...はる?今何て言った?」


「明日私からフルの!!」

「大輔くんはそういう人じゃないって美晴が一番よく分かってるんじゃないの?」


「......」

「明日別れるって言ったけど、その一言でその行動で、全部変わっちゃうんだよ?」