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放課後



「兄貴!」

校門を出た黒斗の前に玲二が現れた。

昼、体育の授業でサッカーボールを顔面で受け止めていたが、ケガをした様子は無いようだ。


「……お前は彼氏が出てくるのを待ってる彼女か」
「彼女じゃないよ、舎弟だよ!」

皮肉も通じない玲二に、溜め息を吐く黒斗。

「……で、用件はなんだ?」
「実は、オレの家に遊びに来てほしいんだ! 兄貴のこと、お母さんに紹介したいし!」

ニコッと可愛らしく笑う玲二。
これで玲二が女だったら、世の男子高校生が憧れるシチュエーションだったろう。
黒斗は興味も無いし、憧れもしないが。



「どしたのボーッとして? 早く行こうよ!」

そう言って、腕を引っ張ってくる玲二。
断れる雰囲気ではないと悟り、渋々着いていく。



「……でさ! オレのお母さん、綺麗だけど怒りっぽくてさあ」

玲二の家に向かう道すがら、隣を歩く玲二ははしゃいでいるのか、ひっきりなしに話しかけてくる。

「へー」

まともに返答するのが面倒くさくなった黒斗は生返事を繰り返しているのだが、玲二はやはりお構い無しだ。



「あと、お母さんの仕事は……」

前を向き直した玲二が紡いでいた言葉を止め、歩行も停止した。


「……?」

どうしたのかと玲二の表情を伺うと、彼は信じられないモノを見たかのように、目を大きく目を見開き、呆然としている。



「よう、玲二」


前方から聞こえてきた声に反応して、そちらに視線を移すと、赤い短髪の少年と紺色の髪の少年が並んで立っていた。