少年の名前は三成 洋介(みなり ようすけ)。
玲二の親友であり、画家を目指して勉強中の少年だ。
「相手にしてくれるって……何か、オレが孤立してるみたいな言い方だね」
洋介の言葉に、玲二はふてくされたように頬を膨らませる。
「アハハ、ごめん。だって玲二が同級生の話をしてくる時、鞄を取られたーとか、パシられたーとか、そういうのばっかりだったからさ」
ケラケラと笑う洋介に、玲二は何も言い返せない。
その通りだからだ。
能天気でノロマな玲二は、からかってくる相手こそ居るものの、仲が良い同級生や先輩は居なかったのである。
「でも、オレはもう“ぼっち”ってのじゃないよ! 強くてカッコいい兄貴が居るからね!」
エヘン、と偉そうにのけ反る玲二に、洋介は苦笑する。
「そういえば洋介。今は何を描いてんの?」
話題を変えて、床に置かれたキャンバスを見つめる玲二。
「エッフェル塔だよ。ほら、あそこに写真があるだろ」
洋介が左足で示した方向を見やると、そこにはエッフェル塔の写真が額縁が壁際に飾られていた。
