「お前にとっては“たかが”でも、殺されたペットの飼い主にとっては、かけがえのない…大切な家族だった」

鎌を構える黒斗の瞳が輝く。

「他人の痛みを分かろうとしない、お前には理解出来ないだろうがな」



その言葉が耳に届くと同時に、林は奇妙な浮遊感を感じた。

まるで飛んでいるかのように、視界が高い場所にある。

眼球を下に動かせば、真っ赤な血を噴き出しながら崩れ落ちる自分の体が見えた。


ゴドッ


鈍い音と共に、床に叩きつけられる頭部。

生首となった林に黒斗は近づき、ゆっくりと鎌を降り下ろす。



林の意識はそこで途絶えた。