翌日の放課後
昨日、カナと交わした約束の為に、鈴はリンを連れて、昨日の日名田(ひなた)公園へと向かっていた。
「カナちゃんとココア、もう来とるかなー?」
「ミィー」
鈴の言葉に返事をするように、肩に乗ったリンが鳴き声をあげた。
「あ、橘」
向かいからやって来た大神が鈴に気づき、声をかけてきた。
「大神くん、今帰り?」
「うん。橘は?」
「ウチは、ちょっと公園に用があってな」
その言葉を聞いて、大神の眉がピクリと動いた。
「公園って……日名田公園?」
「そうや」
一瞬の間があった後、困ったような表情を浮かべた大神が口を開く。
「行くの、やめた方がいいと思うけど」
「えっ? 何でや?」
「…なんとなく、かな。どうしても行くっていうなら止めないけど」
言いたいことだけ言って、大神はさっさと行ってしまった。
相変わらずマイペースな男である。
特に気にすることなく、鈴は目的地に向かった。
「ん? あそこに居るのは…」
見覚えのある姿を認め、鈴が駆け寄る。
「カナちゃん!? どないしたん!?」
そこに居たのは、大粒の涙を流しながら歩くカナだった。
「ひぐっ……うっ、うっ…」
片膝をついてカナの目線に合わせると、ハンカチを取り出して彼女の涙を拭う。
「どないしたん? いじめられたんか?」
鈴の言葉にカナは「ちがう」と呟き、首を振る。
「あのね…昨日、お姉ちゃんが帰ったあと、カナ、おトイレ行ったの……それで、戻ってきたら、ココアが……居なくなっちゃったの……」
「ええっ!?」
しゃくりながら話されたカナの言葉に驚く鈴。
「パパとママが探しに行ったけど、見つからなくて……それで、カナ、ココアが公園に戻ってないかなって……思って……」
落ち込むカナ。
一方、鈴はそんな彼女を励ますように、小さな両肩に手を置いて語りかける。
「話は、よう解った。ほな、一緒に公園まで行こか。そんでココアが居なかったら、お姉ちゃんも探したる!」
力強い鈴の言葉に、カナは涙を拭って「ありがとう」と礼を述べた。
