放課後
リンのエサを買いに行くという鈴と別れ、黒斗はアルバイトをしているコンビニに向かった。
いくら死神といえども、黒斗は表向きは一介の男子高校生。
世間体や食費を考えれば、イヤでもやらなければならないのである。
いつものように同僚達への挨拶もそこそこに、制服に着替えてレジに立つと、早速レジにタマゴパックを持った少年が並んだ。
商品をスキャンして値段を伝えれば、少年はサイフの中からモタモタと小銭を出しはじめる。
「…………」
─遅い
とろくさい少年の動きにイラッとする黒斗。
さすがに口で急かしては店長に叱られるので、「早くしろ」という思いを持って少年を見つめると、申し訳なさそうに頭を下げてスピードを僅かに早めた。
