デスサイズ

翌日の朝



今日は学校もバイトも休みなので、黒斗は自室でレンタルDVDを鑑賞していた。

ちなみに残っていた左目の傷はすっかり治っている。

死神だけあって傷の治りは人間よりも早い。



(……さて、暇だし返しに行くか……)

全てのレンタルを見終えて、返却の為に黒斗は家を出た。



******



レンタルショップ屋に向かう黒斗。

左目には眼帯を付けている。


傷は治っているが、あまりにも完治が早いと怪しまれるのでしばらくは眼帯を付けるつもりだ。



「あー、兄貴だっ!」


騒々しい声が聴こえて振り向くと、そこには玲二、そして佐々木の姿があった。

佐々木の姿を認めた途端、黒斗の表情が歪む。


「アンタ! 私を見てその顔は何よ!」

「あわわ……落ち着いてよ、お母さん……」

玲二が佐々木を止めようとするが、佐々木は制止を振り切って大股で黒斗に近寄ってきた。


目の前まで来た佐々木に対して、黒斗は心底面倒くさそうに溜め息を吐く。



「……何だよ。朝っぱらから学校外で説教とか勘弁してくれ」

「アンタが妙な顔をするからよ!」


胸を張って高々と言う佐々木。



「妙な顔なんかしてない」

「したわよ! 「ああ、面倒くさい奴が居る」って顔に書いてあったの!」

(言いがかりにも程があるだろ……)



確かに黒斗は佐々木を見て内心「面倒くさいのが居る」と思っていたのだが、表情に出しただけでこんなにも責められるとは予想外だった。

そもそも、こないだから機嫌がやたら悪くて八つ当たりされているような気がするのだが。


「兄貴……」

いつの間にか隣に立っていた玲二が黒斗に耳打ちしてきた。



「ゴメンね~。お母さん、イライラする出来事が立て続けにあってさあ……」

「イライラする出来事?」


「うん。まず学校の同僚さんから指導について嫌みを言われてるでしょ……それからオレを殴った見知らぬご老人にも怒りを寄せていて……」

「玲二っ!! 何をヒソヒソ話なんかしてるの!」


母に怒鳴られた玲二の肩が大きく跳ね上がり、慌てて佐々木の隣に戻っていった。