「……これは?」
「オムレツや! 野菜をたっぷり使ったんやで!」
(……野菜をたっぷり使ったらオムレツは緑色になるのか……そんなバカな)
とはいえ毎度のことなので、それ以上何も言わずに黙ってオムレツを口に入れる。
『……続きまして、連続通り魔殺人事件に関するニュースです。未だに犯人は捕まっておらず、被害者は3人……』
シローが起こした事件が報道されており、黒斗の関心がテレビに向けられた。
『凶器が同じ鈍器であり、殺害方法が共通していることから同一犯人の通り魔として捜査を進めています…………』
「通り魔やってね。いったい誰が犯人なんやろ……」
洗い物を終えた鈴が席に着いた。
「……さあな」
犯人の姿を思い浮かべながら、黒斗は素知らぬフリを決め込むのだった。
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自宅を出て、鈴と共に登校する黒斗。
「あーにーきー!!」
「ハア……」
これまた毎度お馴染みの挨拶という名のタックルを容易くかわす黒斗。
「うっひゃー!!」
今日も見事なヘッドスライディングが決まった。
「もー、避けなくたっていいじゃないか!」
「避けない理由が無い…………ん?」
玲二の顔を見た黒斗と鈴の顔色が変わる。
「レイちゃん、その青あ……」
「うわわっ!! 兄貴、どーしたの眼帯なんかしちゃって!」
玲二の素っ頓狂(すっとんきょう)な声が、鈴の言葉を遮(さえぎ)って響き渡る。
「……ものもらいだ」
あと何回、同じことを違う人間に言わなくてはいけないのか、と思いながら黒斗が答えると、玲二は納得したように何度も頷いた。
「それより、お前の方がどうしたんだ? その青アザ」
玲二のこめかみに出来ている痛々しい青アザを指差しながら黒斗が言う。
傷の具合から、転んだりしてついたものではなく人為的なものであると察していた。
「……誰にやられた?」
「え、やられてないよ~」
「誰にやられた?」
しらを切る玲二を睨みつけながら再度問うと、玲二は諦めたように肩を落とした。
