デスサイズ


「今日は気分が良いわ。いつもより、たっぷりサービスしてあげる」


 肩にまわされていた平田の手をそっと外すと、江角はベッドに腰かけている彼の前に立ち、身に付けている衣服をゆっくりと1枚ずつ脱ぎ捨てていく。



「おお……」

 興奮から平田の顔が赤くなり、身体も火照(ほて)る。



 平田にとって江角は、はじめて身体を重ねた唯一の女だ。


 妻も恋人も居ない、無精髭(ぶしょうひげ)を生やした冴えない中年男性。


 女っ気のない人生を送ってきた平田は1度味わった快感が忘れられず、刺激的なものだった。



 私服を脱ぎ捨てた江角の姿は黒い下着を纏ったものとなり、平田はゴクリと生唾を飲み込む。