「3人の被害者とお前には接点は無い。……あえて言うなら、この3人はお前にとっての“理想”を絵に描いたような存在だった。だから嫉妬したんだろう? お前が憧れた家庭を持つ彼らを……」
「黙れ! テメエに何が分かるっ!!」
図星を突かれて頭に血がのぼったシローは持っていた石を振り上げて、目の前に立つ黒斗の額を殴りつけた。
鈍い音と共に黒斗の額の皮膚(ひふ)が裂け、傷口から血が流れ落ちるが、彼は痛みに表情を歪めるどころか、嘲(あざけ)るように笑っている。
血で真っ赤に染まった顔で笑みを浮かべる黒斗の姿は、悪魔のように恐ろしいものだった。
「……自分が理想を実現出来なかったから、他人を妬(ねた)んで八つ当たりか……見苦しい」
黒斗が喋っている間に額の傷は塞がっていき、顔を流れていた血、凶器の石に付着した血液も一瞬で消え去った。
「なっ…………」
瞬時に傷が回復した黒斗を見たシローは言葉を失う。
「お前はやりすぎた。犯した罪に対する罰を受けてもらう」
黒斗は冷酷に呟くと右手を挙げ、黒い穴からデスサイズを取りだし構える。
「うっ…………うあああああああ!!」
鎌を持つ黒斗を見た途端にシローは悲鳴をあげながら逃げ出した。
「愚かな奴だ……逃げられる訳が無いというのに」
慌てることなく、シローをゆっくり追いかけていく。
