(へへへ……これだけありゃあ、当分遊びまくりだぜ……) 財布の中に入っている数十枚の紙幣(しへい)にニヤニヤが止まらない男。 彼は辺りに人が居ないことを確認すると、中から札だけを抜き取り、用済みとなった財布をゴミのように地面へ投げ捨て、覆面を脱ぎとった。 露となる素顔――それは まだ幼さを残した、十代後半くらいの少年のものだった。 (こないだのオッサンはしけた金だったけど、今回は当たりだな) 暖かくなった懐に満足して口笛を吹く少年。 彼はスキップに近い足取りで、自宅へと向かう。