「まあ、可愛そうだからヒントをあげるよ。僕は人間であって人間じゃない。死神であって死神じゃない。普段、力を使っていない時は人間の気が出てるんだけど、力を使っている時は死神の気になるんだ」

「……人でも死神でも無く、そのどちらでもあるだと…………? どういうことだ」

「ヒントはここまで。後は君が答えを見つければいいさ」


大袈裟(おおげさ)に肩をすくめる大神。


「あ、忘れないうちに用件を伝えておくよ。竹長 恵太郎くん……彼は僕が引き取ったよ」

「……引き取っただと……?」


「彼は全てを知った。君が死神であること、君が兄を殺したこと……全てを知ったうえで、彼は君に復讐する道を選んだんだ」


大神の言葉に黒斗は目を見開いた。


「…………貴様……性懲(しょうこ)りも無く、また人間の心を操ったのか!」

柄を持つ手に力がこもる。