7年前
まだ竹長 伸也が18歳で高校生だった時のこと。
伸也は心優しい性格ではあるものの、かなりの人見知りだった。
そのうえ肥満体で、いかにも地味そうな風貌(ふうぼう)だったことも手伝って、一言二言会話を交わしても、特に親しい友人も居なかった。
当然、異性との交際経験も皆無である。
だが、伸也は非常に成績が優秀な生徒であり、教師達から注目されていた。
そして高校3年生となった伸也に転機が訪れる。
「君のような優秀な生徒は、もっと上のレベルを目指してみないかい?」
担任を始めとする多くの教師達からは、名門大学への推薦(すいせん)入学を薦(すす)められたのだ。
将来は医学者になりたいと考えていた伸也は、願ってもない申し出に二つ返事で了承した。
伸也の推薦入学の噂はたちまち学校中に広まり、今まで見向きもされなかった彼は一躍(いちやく)注目を集めた。
それでも伸也はおごり高ぶることもなく、必死に勉学に勤しんだ。
しかし――注目を集めてしまったことによって、ある悪女の目にも止まってしまう。
悪女――榊原 芽衣の目に。
