「今、アイツが殺せないって言った? もしかして、アイツって僕のこと?」
「ち、ちがうよおぉ!」
「その麻薬を缶ビールにでも混ぜようとしたんでしょ? 僕が言ってた小野寺に麻薬を混ぜた方法を元に考えたんだろ」
淀(よど)みなくスラスラと紡がれた伸也の言葉に芽衣は絶句した。
─バレている
─どうして? いつから?
疑問だけが芽衣の脳内に浮かぶ。
心臓がドクンドクンとやかましく鳴り響く。
「……プッ」
不意に吊り上がる伸也の口角。
─まさか
「クックック……」
爆笑を堪えるように片手で顔を覆う。
─最初から?
「アッハハ……ハッハッハ、アーッハッハッ!」
何がそんなに可笑しいのかと思う程、伸也は大声で笑いだした。
「あー……もう限界っ……そんな絶望的な顔で見つめてくるとか反則だよー……ククッ……おっかしー」
目尻の涙を拭いながら、伸也は別人のような不気味な笑みを浮かべた。
「本当に……相変わらずのバカだねえ! 僕を操っていたつもりで、逆に僕の手のひらの上で踊らされていたことに気づかなかったなんてさっ!!」
