「はーっ……ハッ、ハアハア…………」
冷や汗が顔を伝い、ポタポタと床についている膝に落ちていく。
プシュッ
ようやく缶ビールを開け、ポケットから小瓶を取りだす。
だが
「ハッ、ハッ…………あっ!」
ガタガタ震える指から小瓶が滑り落ち、床へと落下していった。
パリン
嫌な音と共に、脆(もろ)い小瓶が粉々に砕けて中の粉が散らばった。
「ウソっ! ウソウソ、そんなあ!!」
思わず絶叫してしまう芽衣。
散った粉を寄せ集めようとするが、ベットリと床に付いていて取れない。
「ろうしよう、ろうしよう。これがなきゃ、アイツがっ、くろせないよおっ」
「そんなに叫んでどうしたの?」
穏やかな声が耳に届き、身体の芯から冷え込んでいく感覚がした。
おそるおそる振り向くと、伸也が芽衣を見下ろしていた。
「じ、んざんっ……!」
慌てて床の瓶の破片と粉を身体で隠す芽衣。
呂律(ろれつ)がまわらないのは、動揺しているせいだろうか。
「お、なえり……あやかっだ、ね……!」
平常(へいじょう)を装うとするが、舌は動かず唇が動く度に唾液が零れる。
